大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1532 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人黒坂一男の上告趣意第一点について。

第一審第三回公判調書に論旨に摘録するような被告人等の供述の存することは所

論のとおりである。しかし第一審第一回公判調書には「検察官は起訴状を朗読した。

裁判官は被告会社代表者及被告人に対し……問うた処被告会社代表者及被告人は、

その通りでありまして別に争う事はありませんと述べた。弁護人は事実について別

に陳述する事は無いと述べた」との記載が存するところからすれば、被告会社代表

者及び被告人Aは第一審第一回公廷において起訴状にある公訴事実を明らかに自白

しているものといわなければならぬ。されば第一審が証拠の取捨判断の裁量権内に

おいて右の自白を証拠として他の証拠と綜合し判示事実を認定したからといつて第

一審判決並にこの判決を是認した原判決を目して虚無の証拠を他の証拠と不可分的

に綜合して判示事実を認定したものであつて当裁判所の判例に反するものであると

の所論はその前提たる事実を欠きとるをえない。されば論旨は明らかに刑訴四〇五

条二号にあたらないし、また、同四一一条を適用すべきものとも認められない。

同第二、三点について。

論旨第二点は結局原判決の是認した第一審判決の事実誤認を、同第三点は同第一

審判決の量刑不当を主張するに帰するものであるから、論旨いずれも明らかに刑訴

四〇五条所定の上告適法の理由にあたらないし、また、第一審判決には所論のよう

な事実誤認も量刑不当も認められないから第一審判決を是認した原判決を職権で破

棄しなければ著しく正義に反するものとはいえない。

よつて刑訴四一四条、同三八六条一項三号に従い裁判官全員一致の意見で主文の

とおり決定する。

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昭和二六年二月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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